養傳寺の築地壁

養傳寺の諸天善神

普賢菩薩

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

 

文殊(もんじゅ)菩薩とともに大乗仏教の経典において重要な位置を占める菩薩で『華厳経(けごんきょう)』によれば、諸仏に敬礼し、諸仏を称讃し、諸仏を供養し、自ら過去の罪を懺悔し、諸仏の功徳に心から感謝し、諸仏に説法を請願し、仏が世に永らえることを請願し、つねに仏に従って学び行動し、つねに衆生(しゅじょう)の救済を実現するように願い、自らの功徳をすべて悟りに振り向ける(回向(えこう)する)という十願をたて、これを完全に実行、実現したとあります。

 

この十願は「普賢行願(ぎょうがん)」ともよばれ、自らの悟りと衆生の救済を求める菩薩の理想を示すものとされ、諸経典では一般の人々もそれを追求するよう勧め、また普賢菩薩の実現した功徳にあずかれると説いています。

 

文殊菩薩が悟りの知性的側面を象徴しているのに対し、普賢菩薩はその実践的側面(普賢行)を象徴し、釈迦仏(しゃかぶつ)の右脇侍(わきじ)として六牙(が)の白象に乗った姿で表現されるのが一般的です。